歯周病の治療方法はどんなもの?

 

はじめに

みなさんは歯周病というのはどういう病気かご存じですか?

ほとんどの方はたかが歯周病・・なんて思っているのではないでしょうか?

歯周病はまたの名をサイレントキラーと呼ばれており、気づかないうちに歯の周りの骨を溶かす怖い病気です。

また、日本人の30代以上の8割もの人がこの歯周病にかかっていると言われており、大変身近な病気としても知られています。

しかも、歯周病は歯をなくす原因の1位でもありこの歯周病を治すにはお口の中の歯周病菌を減らすことが有効です。

大切な歯をなくしてしまう前にクリニックで治療することをおススメします。

ここでは、クリニックでの歯周病の治療の流れについてご説明しましょう。

ぜひ、みなさんのご参考になれば幸いです!

 

クリニックでの治療とは

歯周病治療でもっとも大切なことはご自分でのプラークコントロールです。

でも、歯周病はある程度セルフケアできますがさらに進行した場合には、クリニックでプラーク除去を行ってもらうなどの治療が必要になってきます。

初期の歯周病の場合はスケーリングルートプレーニングという治療法でかなり改善されます。

 

◇スケーリング◇

スケーリングとはスケーラーという器具を使い、歯磨きだけでは除去しきれなかったプラークや歯石を落とすものです。

また、歯茎の下にある見えない歯石もこれで除去できます。

さらに、歯石を除去する場合出血することもありますが、それは歯石がついた部分の歯茎が炎症しているためです。

つまり、歯石を取り除けば出血もなくなるはずです。

このスケーリングは歯周病の治療方法の基本で、予防にも効果があると言われています。

 

◇ルートプレーニング◇

次にルートプレーニングですが、これはスケーリングだけでは取り除けなかった歯の根の部分にある歯石を取り除くものです。

なお、プレーニングとは平らにする・・という意味があり、歯の根の部分を平らにさせることが目的です。

それは、根っこがでこぼこしていると細菌が感染しやすいためです。

歯周病が中程度、重度になると次のような治療となります。

 

◇フラップ手術◇

歯がぐらついている歯周病の場合、歯周ポケットが広く深いため溝の奥深くまで歯石がついていることがあります。

この溝の奥にある歯石は表面からでは取り除けません。

そこで、フラップ手術という治療により歯茎を切り開いて、中にある膿や歯石を取り出す・・という手術が行われます。

このフラップ手術を行うメリットは歯周ポケットの奥深くまでキレイにすることができ、悪化してしまった口内環境を改善できる点でしょう。

逆にデメリットは手術後に痛みがある程度あることです。

さらに、治療前より歯茎が下がりますがこれは治療により歯茎の環境がよくなって歯茎が引きしまることと、手術による侵襲によりある程度歯茎が下がるためです。

ただ、クリニックの方針によっては患者さんがつらくないようこのフラップ手術を行わないというところもあるため、かかりつけのクリニックできちんと相談した上で治療法を選ぶようにしましょう。

 

◇歯と骨の再生手術◇

歯周組織再生誘導法という治療法は歯周外科手術によって歯茎の中をキレイにした後で、メンブレンという保護膜で歯周組織を保護して再生させるものです。

歯周組織を再生するには6~12か月程度かかります。

さらに、歯が再生した後保護膜を取り除くための再手術が必要になります。

 

◇エムドゲイン法◇

この治療法は赤ちゃんの歯が生える原理を使った歯の再生治療です。

外科手術で歯茎の中をキレイにした後で、細胞増殖因子であるエムドゲインのジェルを塗って歯が生えたのと同様の状態を再現していきます。

術後1か月程度は歯茎に刺激がないように注意する必要があるようです。

これは歯と歯茎の再生手術より簡単にでき、同等かそれ以上の効果があると言われています。

ただ、保険外治療となるため高額な費用になります。

 

◇再生治療での注意とは◇

骨を再生するには個人差がありますし、またぐらついている歯が静止する状態になるまで回復するという保証もないため、歯科医師としっかり相談した上で治療方法を選びましょう。

さらに、骨の溶け具合によっては再生のしやすさも変わってくると言われています。

あごに垂直方向に溶けている場合には再生しやすく、水平だと再生しにくいようですね。

歯周病は生活習慣病

歯周病は生活習慣病の一つとも言われており、症状の程度に関係なくセルフケアの有無喫煙の有無食生活なども治療を妨害する要素となるためその分治療費も変わってきます。

さらに、歯周病はクリニックに通ったからといって確実に治るとは言い切れません。

つまり、お金をかければ治るというものでもないのです。

半分は自分自身の生活の改善にかかっているため、努力次第で治療費を抑えることも可能なのです。

 

歯周病には治りやすい人とそうでない人がいる

なお、歯周病はそれぞれの状態によりかなり個人差がある病気だと言ってもいいでしょう。

また、歯周病は症状の程度とは関係なく、治りやすい人と治りにくい人がいるようです。

治りにくい人は通院回数も増えますし、その分治療費も高くつきます。

たとえば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病がある人、たばこを吸う人などはそれらのせいで改善が遅れる可能性が高いです。

さらに、女性だとホルモンバランスを崩しやすい時期には歯周病が悪化すると言われており、治りが遅くなることがあるようですね。

妊娠中や産後まもない方や閉経期の女性は注意した方がいいでしょう。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

歯周病の治療法は進み具合だけでなく、患者さんそれぞれの歯並びや噛み合わせの状態、毎日自分でちゃんとケアしているかどうか、また薬剤を使う場合はそれぞれの方の体質を考慮する必要がある、まさにオーダーメイドの治療と言ってもいいでしょう。

それに、歯周病は悪化すればするほど治療にかかる期間も長引いてしまい費用もかさみますし、痛い治療が必要になるなど負担が大きくなります。

もし、歯周病かも・・と思ったらすぐにクリニックで検査を受けていただきたいです。

できれは一生歯周病とは縁のない健康的な生活を送りたいですよね!

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