保険適用になる虫歯治療について

 

日本国内の歯科医院では、保険を適用して虫歯治療を受けることが出来ます。

ただし、高い技術や特殊な設備、特殊な器具を必要とする治療、見た目を良くする審美目的で行う治療は保険が適用されず自費診療となります。

一般歯科で虫歯治療を受ける場合には、自分自身が受ける虫歯治療のどの範囲までが保険適用になるのかを見極める必要があります。

ここでは、「保険適用になる虫歯治療」についてご紹介します。

 

保険適用と自費での診療の違い

保険適用になる虫歯治療は、治療の方法や治療に用いる各種の素材があらかじめ定められており、患者様が治療法や素材を選ぶ事は不可能です。

(2種類程度であれば治療用の素材を選択出来るケースもあります)

これに対し、自費診療の虫歯治療は治療時の痛みを出来るだけ少なくする方式を選択出来るなど、患者様がご自身で治療方式を選べる利点があるほか、
治療で使う詰め物やかぶせ物も陶器から出来ているセラミックやジルコニア、金属のゴールドやプラチナなど、強度に優れ審美面でも美しい見た目の歯科用素材から選択出来るようになります。

 

保険適用になる虫歯治療について

 歯を削る

虫歯を治す際に歯を削る必要があるときには、保険適用で治療が出来ます。

詰め物、かぶせ物をする

歯を削った後に使う詰め物やかぶせ物は以下の素材に限り保険が適用されます。

 

・レジン・・・プラスチック製の白い樹脂で、歯を削った箇所に詰めて使用します。

・金銀パラジウム合金および銀合金・・・いわゆる「銀歯」や「アマルガム」と呼ばれている銀色の歯科用金属で、強度が高いというメリットがありますが、天然の歯よりも硬いことから噛み合わせの箇所の歯を傷めやすく、溶け出た金属イオンで歯が黒くなる、金属アレルギーの元になる、等のデメリットもあります。

・硬質レジン前装冠・・・内側のコアは金属、外側にレジンを使ったかぶせ物で審美性が高く、前歯にのみ保険適用可能です。より自然な白さの歯を再現出来ます。

・CAD/CAM冠 ハイブリッドセラミックレジン・・・陶器で出来たセラミックとプラスチックのレジンを合わせて作られているかぶせ物で、真ん中から数えて6、7番目にある「第一小臼歯」と「第二小臼歯」のみ保険適用となります。強度に優れ、見た目も天然の歯に近くなりますが、保険を適用する条件としては、歯科医院の院内にCAD/CAMの装置がある事が必須となります。

 

歯の神経を抜く抜髄治療

虫歯が歯の神経にまでおよんでしまった場合には、歯の神経を抜く抜髄(ばつずい)治療を保険適用で受ける事が可能です。

 

根管治療

虫歯が歯の根っこの部分にあたる根管(こんかん)にまで進行している場合には、根管の内部を掃除する根管治療を保険適用で受ける事が可能です。

 

抜歯

虫歯が根管内部すべてにおよび、歯が腐ってしまっているときには、保険適用で抜歯治療を受ける事が可能です。

 歯石を除去

歯垢であるプラークが硬くなり歯石になった場合には、歯石除去のスケーリングを保険適用で受ける事が可能です。

 入れ歯やブリッジなどの義歯を作る

部分入れ歯やブリッジ、総入れ歯等の義歯は、レジン素材で出来た物に限り保険適用で製作可能です。

 歯磨きの指導を受ける

虫歯や歯周病を未然に防ぐ為に必要な「正しい歯磨きの方法」を保険適用で教えてもらう事が可能です。(※)

(※ 患者様のお口の症状によっては自費診療となる場合もあります)

 

保険が適用されない虫歯治療(自費診療)について

 審美面や耐久性に優れている詰め物やかぶせ物を使った治療

虫歯治療で使用する審美性、耐久性の高い詰め物やかぶせ物は、自費診療で利用することが出来ます。

 

・セラミック・・・陶器から出来ており審美性が高く、自然の歯に近い見た目になります。ただし、種類によっては欠けや割れが発生するなど、強度の面においてデメリットがあります。

 ・ゴールド、プラチナ・・・金属製のため強度が高く柔軟性にも優れています。しかし、金属が光に反射してキラキラと目立つことから審美性ではセラミックに劣ります。また、熱伝導率が高いため、冷たい物や熱い物に対して過敏になってしまう、というデメリットがあります。

・メタルボンド・・・金属製のコアにセラミックを盛り付けたかぶせ物で、強度があり審美性も高いのが特徴です。金属のため変色しにくくプラークが付着しにくい、というメリットがあります。しかし、コアの金属が透けて黒く見えてしまう、金属アレルギーの原因となるおそれがある、など、デメリットもあります。

 

審美面や耐久性に優れた入れ歯やブリッジを使った治療

自費診療によって入れ歯やブリッジを作る場合には、セラミックやジルコニア、硬質レジン等、審美面や耐久性に優れている素材で義歯を製作可能です。

 PMTCなどの歯のクリーニングやフッ素塗布

PMTCとは、「プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング」の略であり、患者様がご自身で行うブラッシングだけでは落とせない歯の汚れを専用の器具を使用して落としていくクリーニング方法です。

また、自費診療においては患者様がご希望された場合、虫歯を防ぐ為の歯のコーティングや歯のトリートメント、および歯へのフッ素塗布を自費で行うことが出来ます。

 

インプラント治療

さまざまな治療を尽くしてもどうしても歯を残す事が出来ないケースでは、自費診療でインプラント治療を行う事が可能です。

インプラントは人工歯根をあごの骨に埋め込むため安定性が高く、現在、多くの患者様が失った歯を補う方法としてインプラント治療を選ばれています。

 

分からないことがあるときには、歯科医師にたずねてみましょう

「保険適用になる虫歯治療」についてご紹介しました。

 

歯科治療は「保険適用だからダメ、自費だから良い」ということはなく、それぞれの治療にメリットとデメリットがあります。

虫歯治療を受ける際には、治療によっては保険適用外の自費診療の際に高い費用がかかる場合もありますので、患者様がご自身で治療内容や治療で使う歯科用素材等について歯科医師からの説明をお聞きになり、ご納得した上で治療に入る事が大切です。

治療を始めるときに、もし、少しでも分からない点や知りたい点があれば、気軽に歯科医師にたずねてみることをおすすめします。

 

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