はじめに
虫歯を治療したいけれど治療費が高額になるのでは?と心配の方も多いでしょう。
虫歯の治療費は保険内治療と保険外治療のものがあり、実は虫歯治療はすべて保険内治療で行えると言われています。
もちろん、前歯であっても保険内治療で行えますが機能を改善することが目的となっており、保険外治療では審美性や安全性の優れた治療を受けることができます。
ここでは、虫歯の治療費について保険内と保険外に分けてご説明したいと思います。
保険内で行える虫歯治療とは
◇小さな虫歯を詰めるコンポレットレジン◇
この治療費は3割負担の方で2000円程度です。
コンポジットレジンとは柔らかい樹脂でできており、光を当てると固まる特性があります。
なので、入り口が小さく中で広がっている虫歯であってもあまり削る必要がなく、虫歯だけを取り除いて詰めることが可能です。
さらに、保険内治療で色も薄く費用も安くキレイに仕上がります。
ただ、プラスチックなので年数が経つと黄色くなってきます。
◇小さな虫歯に銀を詰める◇
3割負担の方で4000円程度です。
奥歯の歯の間にできてしまった虫歯に歯を削り型を取って銀を詰める治療です。
保険で治療でき機能的には問題ないのですが、劣化が起きやすいので数年経つと金属と歯の間から虫歯になりやすいです。
◇奥歯に銀歯を被せる◇
3割負担の方で4500円程度です。
銀歯は保険内治療で機能的には問題はないのですが、金属の成分が歯ぐきや歯に浸透しやすく周囲が黒ずみやすいです。
◇小臼歯に硬化プラスチックを被せる◇
3割負担の方で6000円程度です。
以前は自費治療だったこの治療法ですが、保険が導入されました。
ただ、保険適用となるのは小臼歯だけで白い歯を入れることが可能です。
セラミックとは違って4~5年程度で色が黄ばんでくるため定期的にやりなおさねばなりません。
◇前歯に硬化プラスチックを貼りつけた金属冠を被せる◇
3割負担の方で7500円程度です。
保険で治療する前歯のかぶせ物には金属冠の表面にプラスチックが貼りつけられています。
機能的には全く問題ないですが時間が経つと変色したり、金属が漏れ出すことによって歯茎が黒くなる場合があります。
◇歯の神経を抜く◇
3割負担の方で4000円程度です。
虫歯が深くまで進んでしまい強い痛みが出てきてしまった場合、神経を抜く治療が必要になります。
根の先の部分に膿の袋が出来てしまってやり直すことも多いと言われている治療です。
成功させるためのポイントは根の中に細菌を感染させないためにラバーダムを行うことです。
また、拡大鏡を使って神経の取り残しがないようにすることや、薬でじゅうぶん閉鎖することでしょう。
保険外の虫歯の治療費
◇小さい虫歯をセラミックで治療する◇
自費治療で3~5万円程度です。
セラミック治療は安全性、審美性、さらに機能性に優れた治療法でセラミックは劣化しないので長期間使うことができます。
◇インプラント◇
30~40万円程度です。
インプラントはなくなってしまった歯の骨に人工歯根を入れる治療法です。
残っている歯の負担が少なく、周囲の歯を残すためにかなり優れた治療法です。
ただ、重度の糖尿病や骨粗しょう症の方は治療できないことがあります。
◇セラミックの被せもの◇
7~12万円程度です。
セラミックで治療すると色の変化がないので、長期間美しい状態を維持できます。
また、汚れがつきにくいので歯周病や虫歯になりにくいとも言われています。
◇セラミックブリッジ◇
25~40万円程度です。
ジルコニアという素材を使うことで金属を使わずセラミックブリッジが行えます。
見た目にも優れており、汚れがつきにくいメリットがあります。
クリニックにより料金は違うの?
保険内の治療については基準が細かく決められていますが、クリニックによって使う素材や作業方法が違うので、同じ治療であっても料金が違う場合があります。
保険外治療だともちろんクリニックによって料金は違います。
インプラントや歯科矯正が保険外治療の代表的なものですが、材料費や手間などから算出されたものが相場となっているようですね。
できれば虫歯治療を安く済ませたいと思うのは当然ですが、クリニックの中にも安かろう、悪かろうのところがないとは言えません。
かなり安く料金を設定しているところは注意した方がよさそうです。
医療費控除を利用して
ただ、保険を利用しても医療費がかさんでしまう場合もあるはず。
歯医者さん以外ににも通院している病院がある方にそういう方が多いようです。
そんな時に知っておきたいのが医療費控除というシステムです。
家計の大きな負担を軽くしてくれるこのシステムですが、いったいどういったシステムなのでしょうか?
この医療費控除についてご説明しましょう。
◇医療費控除とは?◇
1月1日~12月31日の間に納税する方や家族が支払った医療費の額によって所得税が控除されるシステムのことです。
進学や単身赴任で同居していないけれど生計を共にしている方はすべて対象となります。
この医療費控除の対象になる金額とは治療の際に腹った医療費の総額だけではなく、治療費以外にもクリニックに通院するための交通費や市販の薬なども含まれています。
そういったものを合計し、生命保険や高額療養費などで補てんされたものと10万円か総所得の5パーセントのいずれか低い方を引い金額になります。
虫歯治療は対処療法
虫歯治療とは対処療法にすぎません。
どうしてその部分に虫歯ができてしまったのか原因を知り、取り除いて環境を変えてその後安定することは原因除去療法です。
そのため、悪いところは全部治さなければ予防にはつながりません。
つまり、すべての治療が終わって初めて予防ができるというわけですね。
まとめ
歯は削れば削るほど悪くなっていくものです。
治療されるたびに自分の健康な歯は失われてしまい、再度治療することになります。
つまり、もっとも費用が抑えられるのは予防歯科ということですね。
虫歯ができてしまってから治療するのではなく、虫歯を作らないための予防歯科に考え方を変えることこそがいつまでも健康でお金をかけずに過ごせる秘訣と言ってもいいでしょう。
いつまでも自分の歯で過ごせるようしっかり予防を行ってくださいね!