歯列矯正の費用でローンは使える?

日本では虫歯や歯周病、ケガなどに対しては健康保険が適用されますが、見た目を良くすることを目的とした歯列矯正やホワイトニング等の審美的治療、そして義歯治療であるインプラント治療には健康保険は適用されず、原則として治療はすべて患者様ご自身が負担する自費診療となります。

自費診療(保険適用外の治療)は、治療にかかる費用の全額が患者様のご負担となるため、治療の内容によっては支払う費用が高額になることもあります。

このような高額な治療費を支払うケースにおいては、費用を分割で支払うデンタルローンやクレジットなどを利用することも選択肢の一つです。

ここでは、歯列矯正治療で利用出来る各種ローン」についてご説明をさせていただきます。

 

デンタルローン(歯科医院が提携している信販会社を利用)

デンタルローンとは、歯科医院が提携している各信販会社を利用して費用を分割払いにする方法です。

デンタルローンを歯列矯正で利用する際には、治療をお受けになる患者様がご自身で院内で申し込みをしていただくか、もしくは歯列矯正の治療を受ける前に歯科医院でデンタルローンを利用する旨を伝えていただき、信販会社が取り扱っているデンタルローンの「WEB審査」を受ける、という2通りの方法があります。

デンタルローンとクレジットカード、銀行系の多目的ローンの違いについて

○所得証明(※)や身分証明書の提出は原則不要

デンタルローンは高額な医療費を分割で支払うために利用するローンであり、クレジットカードや銀行系の多目的ローンとは異なります。

具体的な違いとしては、クレジットカードや銀行系の多目的ローンは申し込みをする人の所得証明や印鑑証明などが必要となりますが、デンタルローンは会社によって違いはあるものの、200万円以下であれば所得証明の提出は不要としている会社が多いです。(※ 200万円以上の場合には所得証明の提出が必要な場合もあります)

また、デンタルローンは身分証明書の提出も不要のため、クレジットカードや銀行系の多目的ローンよりもスムーズに審査・申し込みをすることが出来ます。

○限度額も500万円までOK・金利は実質年率「5.9%」前後

さらに、デンタルローンは限度額設定もおおむね「500万円まで」に設定している会社が多く、金利も実質年率で「5.9%」の固定金利方式を採用しているケースがほとんどです。

もちろん、限度額は会社によって上限が異なりますが、通常のクレジットカードや銀行系の多目的ローンでは200~300万円を上限額に設定していることが多いため、治療費が高額になる場合にはデンタルローンを利用することによって複数社からお金を借りることなく、1社のみでの支払いが可能となります。

○支払い回数は最大で84回まで(※ 会社によって支払い回数は異なります)

会社によって異なるものの、デンタルローンでは支払い回数をおおむね「6回~最大で84回まで」の分割払いに設定しているため、治療費が高額になるケースでも余裕をもってご返済いただけます。

 

デンタルローンのメリットと留意点

メリット

  •  治療の内容に合わせて利用額を設定可能
  • 分割回数が多く、余裕を持って返済出来る(※)
  • 歯科治療専用ローンのため、歯科医院の窓口でスムーズに申し込みが出来る(※)

(※ 信販会社によって内容は異なります)

 

留意点

  • 審査がある(※1)
  • 歯科医院によってはデンタルローンを取り扱っていない
  • 分割払いの手数料が発生する(※2)

(※1 申し込み資格と審査にかかる期間は信販会社によって異なります)

(※2 手数料は信販会社によって異なります)

クレジットカード(患者様ご自身が所有しているもの)

患者様がご自身で契約しているクレジットカードがある場合には、クレジットカードを利用して歯列矯正にかかる治療費用をお支払いいただけます。

クレジットカードの利点としては、歯科医院がクレジットカードに対応していればすぐにその場で決済が出来る、という点がメリットとして挙げられます。

歯科医院の院内でスピィーディーに決済出来るクレジットカードですが、金利は年率で「14%前後」のものが多く、デンタルローンより利息が高いことがデメリットとなります。

 

銀行系や信用金庫系の多目的ローン

銀行系や信用金庫系の多目的ローンは患者様がご自身で手続きをして契約する必要があり、審査に時間がかかるというデメリットがありますが、利用時の利率はおおよそ「5%程度」で設定されていることが多く、デンタルローンよりも金利は低くなります。

多目的ローンの申し込みを行うときには、歯列矯正の治療を受ける歯科医院から出された治療費用の見積もり書などを提出し、審査の結果を待つ流れとなります。

 

歯科医院と直接契約する分割払い

分割払いの中には、信販会社を介さずに治療を受ける歯科医院と患者様の間で直接契約を結ぶ方法もあります。

歯科医院と直接契約をして分割払いを行う際には、分割払いの回数や支払いの期限、手数料などはそれぞれに異なりますが、利息を取らない「無利息での契約」を結ぶことが可能な歯科医院もあります。

場合によっては無利息で利用可能な直接契約ですが、現在、日本国内で歯列矯正を行っている歯科医院においては、患者様との直接契約による分割払いを設定している所はまだまだ少ないのが現状です。

 

ローンと合わせて医療費控除を利用することも出来ます

医療費控除とは

医療費控除とは、歯列矯正の治療を受ける患者様ご自身が1年間に10万円以上の医療費を支払った場合、確定申告時に申し出ることで一定金額が控除される制度です。

控除額については、「1年間でかかった医療費と患者様ご自身の総所得金額」に応じ、所得税が軽減されるシステムとなっています。

医療費控除は上記の各種ローン等を利用した場合でも利用可能なため、ローンと医療費控除を組み合わせて使うことによりお支払いに余裕が出るほか、節税効果も期待出来る、というメリットがあります。

 

ローンをご利用の際は治療を受ける歯科医院で内容を確認しましょう

歯列矯正の治療費用をローンで支払う場合には、今回ご紹介した4種類の方法以外にも医療機器メーカーのローンなどもあり、契約内容や支払い方法はそれぞれ異なります。

ローンをご利用の際には、金利、支払い回数、利用上限額や分割手数料といった各種項目を患者様ご自身が確認しておくことが重要です。

ローンをご検討されている方は、まずは一度、治療を受ける歯科医院で支払い方法についてのご相談をされてみてはいかがでしょうか。

 

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