虫歯になってしまう原因とメカニズム(虫歯のメカニズム)

はじめに

みなさんのお口の中に虫歯はありますか?

毎日きちんと歯磨きを行っているのに虫歯になってしまう方は多いでしょう。

虫歯になるとクリニックで歯を削られてしまうので嫌ですよね?

ですが、実際には虫歯の原因は歯磨き以外にもいろいろあり、人それぞれ違っていると言われています。

ここでは、虫歯の原因やメカニズムなどをご紹介しますので、ぜひ今後のご参考になさってみてくださいね!

 

虫歯とは?

では、そもそも虫歯とはどういう状態のことを言うのでしょうか。

そもそも虫歯とは歯が酸によって溶かされてしまう病気のことで、まだ初期であれば再石灰化と言って治すことができます。

ですが、進んでしまった虫歯の場合には自然に治ることはありません

虫歯の部分を放置していればさらに悪化してしまい、最終的には根の部分だけになり、歯が抜け落ちてしまうのです。

たかが虫歯、されど虫歯というわけですね。

 

虫歯の原因とは

歯磨きがきちんとできていない

歯磨きがうまくできずプラークが残ったままだと虫歯菌が食事のたびに酸を大量に出すため、唾液の力が及ばず虫歯になります。

まずは自分がきちんとプラークを取り除けているかどうかを知ることが大切です。

完璧に磨けたと思うまで磨きましょう。

その後、ドラッグストアなどでプラーク染出し液というものが売られているので、それでチェックしてみましょう。

さらに、歯ブラシだけではプラークは6割程度しか除去できないのであとの2割をデンタルフロスなどを使って除去できれば、合計8割のプラークを除去できます。

 

歯磨き粉を使わない

脱灰により歯から唾液の中に溶け出たカルシウムイオンやリン酸イオンなどは再石灰化によって歯に再度戻されますが、この時フッ素があると脱灰が阻害され再石灰化が促進されてしまいます。

 

歯周病による歯の露出

歯周病になると歯肉が縮退してしまうため、露出した歯根面が虫歯になりやすくなります。

通常、歯の表面を覆っているエナメル質に比べ歯根面を覆っている象牙質柔らかいため、虫歯になりやすいと言われています。

特にこの部分の虫歯は高齢者がなりやすいです。

 

唾液の量が少ない

次に、唾液の量が減ると再石灰化や虫歯が出した酸を中和できず、虫歯になりやすいです。

特に高血圧の薬や自律神経系の薬などを飲むと唾液の量が減ると言われています。

なので、キシリトールタブレットをとったり、唾液腺マッサージなどを行いましょう。

お薬を他のものに変えられるといいのですが、なかなかそれはできないようですね。

 

唾液の力が弱い

また、唾液の力が弱いと再石灰化に時間がかかったり、虫歯菌の出した酸を中和するのに時間がかかるため虫歯になるようです。

唾液の力をアップするのは難しいので、できれば間食を控えて唾液によって中和したり、再石灰化するための時間を長く取り唾液の量を増やして量で補うしかありません。

 

詰め物の隙間から虫歯になる

詰め物がプラスチックや金属製の場合、数年経つと劣化によって歯との隙間から虫歯になります。

いったん歯を削るとその後ずっとやり変える必要があるので、できる限りやり変える必要の少ないセラミックを使うといいでしょう。

 

歯の質が弱い

歯の質が弱い方は、虫歯菌が出す酸によりすぐに歯が溶かされるため虫歯になりやすいです。

なお、歯の質を強化するにはフッ素が有効なのでいつも使っている歯磨き粉がフッ素入りかどうかチェックしましょう。

また、歯磨き粉はたっぷり使ってフッ素を歯に塗り込むように磨きましょう。

うがいは1回だけにしていただき、歯磨き粉の味が口に残るようにすれば効果がアップします。

もし、歯磨き粉が苦手という方はフッ素の洗口液を使うといいでしょう。

 

虫歯菌が多い

虫歯菌の代表格はミュータンス菌ですが、これがもともと多い方は酸を出す量が多いので虫歯になりやすいです。

ミュータンス菌は親から感染すると言われており、2歳くらいまでにお箸やスプーンなどを共有すると感染します。

ミュータンス菌の量はクリニックでしか調べることができず、多い場合はフッ化第一スズの入ったジェルを使うと効果があります。

また、キシリトールもミュータンス菌には有効です。

 

間食が多い

虫歯菌が出す酸により歯が溶けていくことを脱灰と言いますが、この脱灰とは歯に含まれているリン酸イオンやカルシウムイオンが溶け出すことです。

なお、甘いものを食べると脱灰の時間が長くなりますし、間食が多いとその回数が多くなるため虫歯になりやすいです。

 

虫歯ができるメカニズムとは?

お口の中にいる虫歯菌は歯の表面のバイオフィルムに感染すると言われていますが、このバイオフィルムとは液体の中に個体があるとその表面に存在するものです。

たとえば、お風呂やキッチンのぬめりはこのバイオフィルムです。

虫歯菌は、このバイオフィルムの中で食べたり飲んだりしたものの糖分を取り込んで酸を排出します。

この酸により歯は溶かされ続けることで虫歯になるわけですね。

お口の中の唾液は虫歯菌が排出した酸を中和してくれ、脱灰を再石灰化することにより歯を守ってくれます。

ですが、唾液によって中和や再石灰化が困難になると虫歯になるのです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?

虫歯が進んでもただ歯がなくなるだけでは?と思っていませんか。

数年前に虫歯の女性が死亡したというニュースがありました。

これによって、虫歯は死ぬ危険性のある病気だと感じた方もいらっしゃったはず。

歯は硬いため自分の健康とは別ものだと考えてしまいがちですが、

最近の研究結果によると、虫歯は全身のさまざまな病気へ影響があることが分かってきました。

特に虫歯を放っておくと無菌であるはずの血液の中に細菌が存在するという菌血症という状態になり、そのままだと特に問題ないのですが、細菌が増えてしまうと多臓器不全や敗血症などになり最悪死亡する場合があります。

つまり、虫歯になったらすぐにクリニックに行っていただき、しっかり治療をした上で再度虫歯にかからないよう予防を行うことが大切です。

以上のことをご参考にしていただき、みなさんが虫歯知らずの生活を送れることを祈っています!

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