歯列矯正の治療にかかる期間はどれくらい?

「出っ歯」「でこぼこ歯」「すきっ歯」など、前歯の歯並びの乱れが気になり、「矯正治療を受けることを一度は検討したことがある」、という方も多いのではないでしょうか。

矯正歯科で行う歯列矯正とは、矯正装置を使って歯を動かしながら歯並びやかみ合わせをととのえる方法であり、その治療方式はさまざまです。
日本においては、以前は「歯列矯正は子どもが行うもの」と考えられていた時代もありましたが、実は、歯列矯正は大人になってからでも歯並びを綺麗にすることが可能な治療であり、現在では子どもだけではなく大人の歯列矯正を受ける人が増えてきています。
また、歯列矯正は矯正装置を歯に装着せず、陶器から作られているセラミッククラウンというかぶせ物を使って行うセラミック矯正という矯正方式もあり、前歯だけの矯正を望む患者様から高い人気を博しています。

今回は、大人の歯列矯正の治療にかかる期間それぞれの治療方式の違いについてご説明をさせていただきます。
歯列矯正をお考えの方は、ぜひ、今回の記事をご参考になさってみてくださいね。

 

■大人の歯列矯正の5種類の治療方式と治療にかかる期間・費用について

1.表側矯正(基本のブラケット矯正)

治療期間:2年半~3年程度、毎月の処置料は5千円程度
治療費用:80万円程度(上下のあごすべてに治療を行った場合)

表側矯正とは歯列矯正の基本であり、治療は金属製のワイヤーとブラケットと呼ばれる矯正装置を歯の表面、表側の部分に装着して行います。
表側矯正ではブラケットという部品を歯の一つ一つに装着して強い力で歯を動かすため、複数の種類がある歯列矯正の中でももっとも効率的、かつ効果的に歯並びとかみ合わせを治すことができます。

●表側矯正のデメリット

歯の表側に矯正装置を取り付けるため、目立ちます
ただし現在は、目立ちにくい透明や白色のワイヤーとブラケットを使用する方法もあり、金属製の装置を使う治療よりも目立たずに歯並びとかみ合わせを治すことが可能となっています。

2.裏側矯正(目立ちにくいブラケット矯正)

治療期間:3年程度、毎月の処置料は1万円程度
治療費用:120万円程度(上下のあごすべてに治療を行った場合)

裏側矯正(舌側矯正)とは、目立ちやすいワイヤーとブラケットを歯の裏側(舌側)に取り付ける矯正方法です。
裏側矯正は歯の裏側の部分に矯正装置を取り付けますので、表側矯正よりも目立ちにくくなります。

●裏側矯正のデメリット

舌が触れる歯の裏側に矯正装置を取り付けるため、違和感がほかの矯正方法よりも強くなります
また、治療にかかる費用がほかの矯正方法より高くなります

3.マウスピース矯正(マウスピースを使って行う矯正)

治療期間:1年~2年程度、毎月の処置料は5千円程度
治療費用:60 ~80万円程度(上下のあごすべてに治療を行った場合)

マウスピース矯正とは、透明で目立ちにくいマウスピースを使って少しずつ歯を動かし、歯並びとかみ合わせをととのえてゆく矯正方法です。
マウスピース矯正で使用するマウスピースは食事中や歯磨きのときなど、いつでも取り外すことができます。

●マウスピース矯正のデメリット

通常のワイヤーとブラケットを使う歯列矯正よりも歯を動かす力が弱く、適応できる症状は「小さな歯のでこぼこ(歯の段差)」「前歯のすきっ歯」など、比較的軽度な歯並びの乱れに限定されます。
また、マウスピースは取り外し可能なため、決められた装着時間を守らないときには歯列矯正の効果が半減、もしくは矯正の効果そのものがでないことがあります。

4.部分矯正(前歯のみを部分的に治す矯正)

治療期間:3ヶ月~1年程度、毎月の処置料は2千円~5千円程度
治療費用:15~80万円程度

部分矯正とは、気になる前歯の歯並びのみを治す方法です。
部分矯正は通常のブラケット矯正のほか、裏側矯正やマウスピース矯正など、複数の方式から患者様の症状に合わせた矯正方法を選んで治療を行うことができます。

●部分矯正のデメリット

前歯のみの歯並びを治すため、全体の歯並びを改善することはできません
また同様に、部分矯正は前歯のみの矯正となることから、上下の歯すべてをしっかりとかみ合わせてゆく「かみ合わせの治療」ができない、というデメリットがあります。

5.ハイブリッド矯正(部分矯正とセラミック矯正を併用する前歯の矯正)

治療期間:1ヶ月~3ヶ月程度、毎月の処置料は3千円~5千円程度(矯正の内容によって異なります)
治療費用:15~30万円程度、セラミッククラウンの料金は1本につき別途10万円程度

ハイブリッド矯正とは、部分矯正とセラミッククラウンを歯にかぶせて行うセラミック矯正を合わせて行うことで前歯の歯並びの乱れを治してゆく方法です。
セラミック矯正はクラウンを歯にかぶせるため、歯を動かさずに歯並びを治すことができ、同時に前歯のかみ合わせも改善することが可能です。

●ハイブリッド矯正のデメリット

セラミッククラウンをかぶせる際には、歯を削り神経を抜く必要があります
また、ハイブリッド矯正では矯正費用に加えて歯にかぶせるセラミッククラウンの費用が別途かかってしまいます。

■大人の歯列矯正で得られる4つのメリット

①口元のコンプレックスが解消される

歯列矯正によって歯並びがととのうことで口元のコンプレックスを解消することができ、人前で思いっきり口を開けて笑えるようになります。

②かみ合わせがととのい、顔のゆがみが改善する

歯列矯正を行うことによってバランスが乱れていた左右のかみ合わせがととのい、自然と顔のゆがみが改善されます。

③ブラッシングしやすくなり、虫歯や歯周病になるリスクを下げることができる

歯並びやかみ合わせが乱れているとブラッシングがしにくく、歯に付いたプラークを十分に取り除けないため、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
そのような場合には歯列矯正で歯並びやかみ合わせを改善することでブラッシングをスムーズに行えるようになり、虫歯や歯周病にかかるリスクが低くなります。

④歯列矯正後、長く歯を使えるようになる

歯並びやかみ合わせが乱れている人が虫歯になると、乱れた形に合わせて治療を行わなければならず無理な力がかかるため、せっかく入れた詰め物やかぶせ物が取れやすくなり、虫歯の再治療を繰り返すケースが多くなります。
これに対して、歯列矯正で歯並びやかみ合わせが綺麗になると虫歯の治療もスムーズに行うことができ、再治療の回数も減って歯を長く使えるようになります。

【歯列矯正で「自信が持てる口元」を手に入れる】

矯正治療はワイヤーとブラケットを使う方式だけではなく、さまざまな治療法があります。
複数の方式の中からご自分に合った方法をよく見極め、経験と実績が豊富な歯科医師の下で歯列矯正を行うことにより、「自信が持てる美しい口元」を手に入れることができます。
もし現在、歯並びやかみ合わせの乱れが原因で「コンプレックスがある」などのお悩みをお持ちの場合には、ぜひ、歯列矯正をご検討されてみてはいかがでしょうか。

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