骨が溶けて歯が抜ける…!放っておくと恐ろしい歯周病のリスクについて

 

昔から歯磨き粉などのコマーシャルで耳にすることも多い「歯周病」

歯周病は多くの人がその名前を知ってはいるものの、実際に歯周病がどのような症状を引き起こす病気なのかについては意外と知られていません。

歯周病について少し知っている、という人でも「歯ぐきから血が出る」「口臭がひどくなる」といった程度の知識であり、「歯周病であごの骨が溶けて歯が勝手に抜け落ちる」といったおそろしい歯周病の症状に関しては知らない人がまだまだ多いです。

ここでは、私たちの身近に存在している「歯周病のリスク」について詳しくご説明をさせていただきます。

 

歯周病は「骨を溶かしてしまう病気」

歯周病は「歯周病菌」によって引き起こされます

歯周病は歯に出来る虫歯とは異なり、歯周組織である歯ぐきやあごの骨に異変が生じてくる病気であり、病気そのものはお口の中にひそんでいる「歯周病菌」という細菌によって引き起こされることが明らかになっています。

虫歯は虫歯菌であるミュータンス菌が人から感染することによって発症しますが、歯周病も同様に歯周病菌がほかの人と食べ物を共有したり回し飲みをする、またはキスなどをすることによって感染すると考えられています。

 

歯周病は「骨を溶かしてゆく病気」

では、歯周病はいったいどのような病気かと言えば、一言で言ってしまうと歯周病は「骨を溶かしてゆく病気」と表現出来ます。

歯周病になると歯周病菌が出す毒素により、歯を支えているあごの骨が溶けてしまい、歯がグラグラになったり、何をしなくても自然に歯が抜け落ちてしまうなどの症状が出てきます。

歯周病菌は主にお口の中に歯に付着した歯石にひそんでおり、歯石にひそみながら歯周病菌はどんどん毒素を出してゆき、その毒素が原因となって歯を支えているあごの骨が溶けてしまうのです。

 

歯周病は「サイレントキラー」

成人のおよそ「85%」が歯周病というデータも

 

現在、日本では成人のおよそ「85%」の人が歯周病にかかっているというデータが出ています。

そして、そのうちの70%」の人が自覚症状がないまま過ごしている、とされています。

歯周病はすぐに骨が溶けて歯が抜け落ちる、ということはなく、初期段階の内は「歯ぐきの腫れ」や「歯ぐきから出血する」などの症状のため、自分自身が歯周病にかかっていることに気がつかないケースが多いです。

しかし、初期段階だからと言って歯周病を放置してしまうと、次には歯ぐきがまるで熟れきったトマトのようにブヨブヨの状態になります。

さらにその状態を放置すると、次は歯と歯ぐきの境目にある「歯周ポケット」と呼ばれる溝の部分の間隔がどんどん広がり、「歯ぐきが下がって歯が長く見える」ようになります。

この段階で多くの人が「あれ?なんだか歯が長く見える」と気づき始めますが、この状態を放っておいてしまうと、最終的には歯を支えているあごの骨が歯周病菌によって溶かされてしまい、歯を支える骨がなくなり「歯が自然に抜け落ちる」などの症状が出てきます。

 

歯周病は症状に気づきにくい

自覚症状が少ない歯周病は「サイレントキラー」というあだ名があるほど、自分自身では症状に気づきにくく、気がついたときには歯が抜け落ちていた、ということも珍しくありません。

「歯ぐきから血が出てきた・膿が出てきた」「歯がぐらぐらする」といった症状が出てきたときには、かなり歯周病が進行している可能性が高いです。

 

「虫歯がない=歯周病ではない」ではありません

歯に出来る虫歯は基本的に歯周病とは異なる病気であり、虫歯がないからと言って歯周病ではない、ということはけっしてありません。

危険なのは「自分は毎日歯磨きをしているし、虫歯もないから大丈夫」と根拠のない自信を持ってしまい、歯周病に対しての認識がおろそかになってしまうことです。

 

歯周病はお口だけではなく全身に悪影響をおよぼします

「歯が抜ける」だけではない歯周病のこわさ

歯周病のこわさは歯が抜けるだけにとどまりません。

歯周病を放置していると、やがて歯周病菌は歯ぐきから血液中に入りこみ、血液の流れとともに身体の中をかけめぐり、全身の健康に悪影響をおよぼします。

歯周病菌は動脈硬化のほか、狭心症心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系の疾患を引き起こすリスクを上げてしまったり、糖尿病メタボリックシンドロームなどの成人病にも深い因果関係があることがじょじょに明らかになってきています。

さらに、歯周病にかかった人は骨粗しょう症や胃潰瘍、誤嚥性肺炎などを引き起こしやすくなります。

また、おそろしいのは歯周病菌が出す「サイトカイン」という物質によって妊婦さんが赤ちゃんを早産してしまうおそれがある、という点です。

サイトカインは陣痛の促進剤にきわめて成分が似ていることから、このように歯周病が原因で早産や低体重児出産などのリスクが高くなってしまうのです。

 

歯周病を予防するために必要なこと

1.歯科医院で受ける定期的な歯周病検査とクリーニング

自覚症状が少ない歯周病にいち早く気づくためには、歯科医院で受ける定期的な歯周病検査クリーニングが欠かせません。

歯科医院では歯周病菌にかかっているかどうかを定期的にチェックするとともに、歯周病菌のすみかとなる歯石を歯のクリーニングで除去することにより、歯周病になるリスクを引き下げることが出来ます。

 

2.自分自身で行う毎日のブラッシング

歯周病を予防するためには、歯科医院に定期的に通って検査とクリーニングを受けるほか、自分自身で行う毎日のブラッシングが必要となります。

ブラッシングをする際には、歯だけではなく歯と歯ぐきの境目の歯周ポケット部分の歯垢(プラーク)や食べかすを掃除するために、歯と歯ぐきに対して「斜め45度」に歯ブラシを当ててブラッシングをするとより汚れが落ちやすくなり、歯周病予防につながります。

 

日ごろから歯周病に対する意識を持ち、定期的に歯科医院で検査とクリーニングを受けましょう

いまや「国民病」とも言われる歯周病ですが、歯周病は正しい予防方法と定期的に歯科医院を利用して検査とクリーニングを行うことにより、歯を残せる確率を高めることが出来ます。

歯周病で歯を失ってしまわないためにも、日ごろから歯周病に対して常に意識を持ち、少しでもお口の中に異変があるときはもちろんのこと、何も異変がなくても歯科医院に行く習慣をつけ、歯周病を未然に防ぐよう心がけましょう。

 

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