女性の身体と歯周病の深い関係について

成人の80パーセント以上もの方がかかっていると言われている歯周病ですが、女性の方が歯周病にかかりやすいというのをご存じでしょうか?
その理由は女性は唾液が少ない為、お口の中が乾燥していることが多いからです。

お口の中が乾いてしまうとドライマウスになり酸性に傾きやすくなるため、お口の中の環境が悪化しやすいからです。
さらに、歯周病と女性ホルモンとは深く関わっていることが判明しています。

ここでは女性の体と歯周病の関係について、詳しくご説明してみますのでぜひ読んでみてくださいね!

歯周病とは

そもそも歯周病とは細菌によって歯ぐきに炎症が起きる病気のことで、プラークや歯石などが歯と歯ぐきの隙間である歯周ポケットに溜まることで繁殖し、歯の周りの組織が炎症を起こします。
この炎症だけだと痛みもほとんどないため、自覚症状もなく少しずつ悪化していきます。

成人の8割以上もの方が歯周病になる原因には、老化によって歯ぐきが弱まるためだと言われています。
最近では歯周病菌が歯ぐきの骨まで届いてしまい、血液に乗って全身をめぐり健康状態が悪化する・・ということが分かってきています。

たとえば、肺炎や循環器の病気になることもが挙げられます。
女性の方は特に体調の変化やホルモンバランスなどにより歯周病にかかりやすくなると言われており、妊娠中は早産のリスクが高まることも分かっているため日頃から歯のトラブルを改善するようにしましょう。

歯周病の全身への影響とは

お口の中に歯周病があると診断されたら手の平と同じくらいの炎症があると言われています。
誰でも手や足ならここまでになる前に痛みがなくても診察を受けますよね?
ですが、歯周病はほとんど痛みが出ないため炎症を見ることもなく、痛みなどが出るまでにかなりの時間がかかります。

なので、ほとんどの方は炎症が起きているのに気づかないまま進行してしまうのです。
たとえば、20代から歯周病の兆候があったとしても、自覚症状が起きるのは50代前後ということが多いです。
さらに、自覚症状を感じた時にはすでに重症化していることがほとんどで、ここまで長期間体内に歯周病菌を持って慢性的に炎症がを起こしていると、お口だけでなく全身の健康にもかなり悪影響が出るのは当然です。

歯周病が進むと全身にさまざまな症状を引き起こすことがありますが、必ず病気になるというわけではありませんし歯周病菌がその原因であるとは言い切れませんが、このような重大な病気になるということを知らない方は多いです。
ここでは歯周病によってひき起こる病気について具体的にご紹介しましょう。

心筋梗塞、脳梗塞

歯周病で動脈硬化が進行する場合もあり、そこから歯周病菌が検出されることが分かっています

誤嚥性肺炎

お口の中の細菌が気道に入って起きる肺炎のことで、歯周病菌の原因となる菌が入り込むことによって起きる場合が多いです。
日本で誤嚥性肺炎は死因の4位となっており、その中でも9割以上が65歳以上だそうです。

細菌性心内膜炎

この病気の3~4割もの方がお口の中の細菌によるものだと言われています。

骨粗しょう症

研究段階ではありますが、骨粗しょう症と歯周病には深い関係があると言われています。

女性の方が男性より歯周病になりやすい理由とは

歯周病菌と女性ホルモンの関係

お口の中の歯周病菌には歯と歯ぐきの間から染み出す女性ホルモンを栄養として増殖するものがあります。
月経前に歯ぐきが腫れたり、ムズムズするのもこの女性ホルモンが分泌するためです

女性が歯周病になりやすい時期は人生で3回あると言われており、最初は初潮の頃で、次は妊娠中、最後は閉経時だと言われています。
つまり、女性ホルモンの分泌に連動してお口の健康状態が悪化するというわけですね。

つまり女性は男性より歯周病対策をしっかりする必要があります。

妊娠中は歯周病菌が増える

女性の人生においてもっとも歯周病にかかりやすいのは妊娠中だと言われています。

妊娠しますとエストロゲンという女性ホルモンが増えるため、歯周病菌が異常繁殖すると言われています。
また、ホルモンの一つであるプロゲステロンという物質によって歯ぐきが腫れやすくなるとも言われています。
これらは妊娠後期になるにつれ、月経時の数十倍にもなるため妊娠前より歯周病にかかる確率がぐんと高まるからです。
それに、つわりもお口の中の環境が悪化する原因となります。

妊娠中は食欲も落ち唾液の分泌も減るため、唾液による自浄作用が落ちてしまうからで、この時期にはお口のケアを日ごろよりていねいに行うことが大切です。

歯周病によって早産の危険性が高まる

上でご紹介したように歯周病は心臓病や糖尿病、肺炎などと深い関係がありますが、女性は特に出産の際にも大きな影響を及ぼします。
赤ちゃんは羊水の中のプロスタラジンという物質がある一定以上になると生まれてくると言われていますが、歯周病になるとこれが増えるため早産の原因になるのです。
なお、歯周病の妊婦さんはそうでない妊婦さんと比べて早産や低体重児を出産するリスクが7倍にもなると言われており、これは高齢出産やアルコール、たばこなどよりかなり高いというのは驚きですね。

更年期と歯周病の関係

さて、更年期になると女性ホルモンが減るため骨密度が低くなってしまい、骨粗しょう症になりやすいのはご存じでしょう。
それと同時に歯を支えるあごの骨も弱くなったり、歯ぐきが痩せてしまったり、口の中が乾きやすくなるので歯周病になりやすいです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

女性の方が男性の方より歯周病になりやすく進行しやすい理由がお分かりになっていただけたかと思います。
ですが、主な原因は歯周病菌の量であるため、対処法として日ごろの適切なお口のケアが重要です。

女性の方は特にお口の中がデリケートなので、日ごろからていねいにお口のケアを行うようにしましょう。
また、定期的なクリニックでの検診も大切です。
信頼できるクリニックで定期的にお口の中をチェックしてもらうようにし、歯周病知らずの生活を送るようにしましょう!
ここでご紹介したことを参考にしていただけると幸いです!

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