はじめに
歯周病とは歯の周囲に起きる炎症のことを言い、歯槽膿漏とも呼ばれる病気です。
40歳以上の方で歯をなくす原因のほとんどが、この歯周病だと言われています。
歯周病の原因には歯磨きがいい加減だったり、口のなかが清潔でなかったり、生活習慣に問題があったり・・など、さまざまです。
歯や歯の周りが発しているサインをチェックし、早めに対処することこそが歯の健康を守ることに繋がるはず。
ここでは、歯周病チェックをしていただき、歯周病にかかっていないかどうか、ブラッシング法が間違っていないか、生活習慣に問題がないか・・など、この機会に確認してみましょう!
歯周病になりやすいタイプとは?
歯周病にはなりやすいタイプがあり、かかりやすい体質や持病、生活習慣、細菌があるかどうか・・などが重なることによって発生する病気です。
なりやすい体質
歯をきちんと磨いていなくても虫歯になりづらい人もいますし、きちんと磨いていてもすぐになる人もいます。
このように、生まれつきの体質があります。
ここでは、歯周病にかかりやすい人の体質や持病などを挙げてみましょう。
歯並びやかみ合わせが悪い
歯並びが悪いと歯磨きがしづらく歯周病の原因であるプラークがたまりやすいです。
また、かみ合わせが悪いと歯に必要以上の力が加わるため歯周病が悪化しやすいです。
糖尿病
糖尿病の方は感染に対して抵抗力が弱いため、歯周病が進行しやすいです。
年齢
歯周病にかかるピークは45~49歳が全体の8割以上です。しかし高齢者であれば歯周病にかかりにくいというわけではありません。
すでに歯をなくしてしまった可能性が高いのです。
なので、自分はもう歳だから関係ないということはなく、40歳を過ぎても歯周病にはじゅうぶん気を付けましょう。
ホルモンバランスの乱れ
思春期、妊娠時、閉経前後の更年期にはホルモン分泌のバランスが乱れるため歯肉炎起きやすいです。
さらに、閉経し女性ホルモンが減少し骨粗しょう症になると、骨が溶けやすくなるため歯周病にかかりやすくなります。
遺伝
持病などではなく、遺伝的に歯周病になりやすい方がいると言われています。
なりやすい生活習慣
たばこを吸う人
たばこを吸う人は歯周病になりやすかったり、より症状が悪化してしまうことがあります。
喫煙と歯周病には深い関係があると言われており、喫煙者はそうでない人より歯周病にかかりやすいという調査結果がある他、たばこの成分が出血を抑えて歯肉を硬くしてしまうため症状がでづらいので、歯周病に気づかないことが多いと言われています。
さらに、歯周病の治療を行ってもたばこの影響によって治りが遅くなるとも言われています。
歯磨きをしない
これは当然と言えば当然のことですが、お口の中が清潔でないと歯周病の最大の原因であるプラークがたまりやすいです。
・食生活に問題がある
糖分が多い食べ物や粘着性の高い食べ物はプラークを作りやすいと言われています。
・食いしばりや歯ぎしり、口呼吸をする
食いしばりや歯ぎしりは強い力が歯にかかってしまうため、負担がかかり歯周病の進行が早くなります。
また、口呼吸を行うと口の中が乾燥しやすくなってしまい、プラークがたまりやすいです。
さらに、唾液には自浄作用があるため、口の中が乾燥するとその作用が働きにくくなります。
もともと体質的に別の問題や疾患などがある方は根本的に改善するのは難しいでしょうが、生活習慣の問題は自分の意識によって改善でき、予防できるのでぜひ改善していただきたいですね。
歯周病セルフチェック
・朝起きた時口の中がねばつく。
・歯肉が腫れて赤くなっている。
・歯磨きした時血が出る。
・硬い食べ物が噛みづらい。
・歯が長くなったように感じる。
・口臭が気になる。
・歯肉が痛い、むずがゆい。
・前歯が出てきた、歯と歯の間に隙間ができて食べ物が詰まる。
以上のうち3つあてはまる方は油断が禁物でしょう。
6つ当てはまる方は歯周病がすでに進行しているかもしれません。
歯周病を防ぐには?
日頃の歯磨きが重要
歯周病を予防するには歯周病菌が繁殖する温床のプラークを除去することがもっとも重要です。
そのためには、毎日きちんと歯磨きをするようにしましょう。
時間がない時は1日に1回寝る前だけでもいいので、歯を1本ずつ丁寧に磨いてあげましょう。
時間をかけて丁寧に磨くことが大切です。
歯ブラシだけでは落ちにくい歯と歯の間の汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使って取り除くといいでしょう
生活習慣の改善
禁煙する
たばこには一酸化炭素やニコチン、タールなどの有害物質が含まれており、
一酸化炭素やニコチンは歯ぐきの血行を悪化させ歯周病菌に対する抵抗力を低下させると言われています。
さらに、タールはヤニとなり歯につくため、そこにプラークをつきやすくします。
歯周病を予防するには禁煙することが大切ですね。
ストレスをため込まない
ストレスは歯周病を発生させたり、悪化させる原因になると言われています。
なので、適度な運動を行ったり、趣味を楽しんだり、ゆったりと入浴したりしてリラックスしましょう。
ストレスをため込まないよう日頃から工夫をすることが重要です。
また、睡眠不足もストレスになるため、じゅうぶんに睡眠を取って体や心を休めることも重要でしょう。
よく噛んで食べる
唾液はお口の中の汚れを洗い流してくれる役割があり、歯周病菌が歯につくのを防いでくれたり、プラークの中にある細菌が増殖するのを抑制する効果があります。
つまり、噛めば噛むほど唾液は増えるため、ものを噛む時はしっかり噛んで食べるよう心がけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
歯周病にはかかりやすい体質や生活習慣などがあるということをご理解していただけましたか?
歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどないため、自分の今の状態を知っておくことが予防や治療の第一歩になるはず。
セルフチェックであてはまるものが多かった方は定期的にクリニックで検診を受けていただき、いつまでも歯周病知らずの生活を送っていただきたいです!
みなさんのお口の中がいつまでも健康でいられることを願っています!