「歯周病」になってしまう原因とは?(歯周病とは)

はじめに

歯周病とはどういった病気かご存じですか?

歯周病は進行すると歯をなくす原因になり、全身にも悪影響がある病気です。

できればこの歯周病と一生無縁でいだいものですよね。

ですが、成人のほとんどの方は歯周病にかかると言われています。

歯周病とはいったいどういった病気で、どのような原因でかかってしまうのでしょうか。

ここでは、歯周病の症状や原因、予防法、クリニックでの治療法などについて詳しくご紹介しましょう。

 

歯周病の症状

歯周病には歯肉の腫れや出血、口臭、食べ物が歯に詰まりやすい、歯が伸びたように見える、歯がぐらつく、お口の中がねばねばした感じがある・・などの症状が見られます。

ただ、歯がぐらつきだすとかなり歯周病が進行しており、治療法が大がかりになることが多いです。

そういった状態になるまでは痛みなどはなく、自覚症状はほとんどないまま進んでいきます。

なので、ほとんどの方が気づかないか、気づいていたとしても治療せずにそのままにしておくようです。

実際に検査をしてみると、なんと50歳以上の9割近くの人が歯周病にかかっていることが分かりました。

 

歯周病の原因

次に、歯周病とはどういった原因でなるのかをここでご説明したいと思います。

 

プラークが最大の敵

最近、歯垢やプラークなどといった言葉は歯周病や虫歯の原因であることが認知され始めました。

このプラークとは、膨大な最近とその細菌が作り出すものがくっつき塊になったものを言います。

プラークは歯と歯の間や表面歯と歯肉の間などにこびりつきます。

健康な方でも歯と歯肉の間には歯肉溝という隙間があり、その周りの組織に刺激が加わり炎症が起こります。

特に、歯肉溝についたプラークには嫌気性最近と呼ばれる細菌が多いため、歯冠にできるものと比較して毒性の多い生産物を作ってしまいます。

さらに、酸素のより少ない歯肉溝の奥の方へと侵入しようとしていきます。

それによって歯肉溝が拡大していき、歯周ポケットが作られるというわけです。

 

溶けた歯槽骨は再生不可能

いったん歯周ポケットが作られてしまうと歯ブラシの毛も届きにくくなり、ほとんど掃除できない上に嫌気性細菌が繁殖しやすい環境のため病気の進行はますます早くなります。

炎症がいつまでも続くため歯槽骨が少しずつ溶けていきます。

失われた歯槽骨が再生することはなく、歯槽骨が減って支えがなくなった歯はぐらぐらしていき、ついに抜け落ちてしまうというから怖いですよね。

歯周病は生活習慣病とも言われており、ある程度遺伝的な要因とともに生活習慣の影響を受け発病し進行していく病気の一つです。

次のような要因も歯周病の要因として挙げられます。

 

不完全な治療によるもの

虫歯治療は歯が抜けた後の処置をきちんとせずそのままにしておくと歯が磨きにくくなるため、プラークの蓄積がさかんになったり、別の健康な歯に必要以上の力がかかるため歯が動きやすくなり歯周病になりやすいです。

 

歯ぎしりや口呼吸

鼻で呼吸せず口呼吸だと口の中が乾燥するため、プラークのできやすい環境になると言われています。

また、歯ぎしりは歯の動揺を強めてしまうため、歯周組織に負担がかかります。

歯とは上下方向の力に強いものですが、前後には強くないと言われています。

 

食生活

間食が多い方や、柔らかいものばかり食べている方はプラークの蓄積が多いと言われています。

 

ストレス

精神的ストレスも歯周病を悪化させる原因の一つです。

ストレスホルモンが分泌されることで免疫力が低下するほかに、間食の回数が多くなることなどが深くかかわっているようですね。

 

薬などによるもの

ある特定の降圧剤による副作用や、遺伝子異常によるものもあります。

 

妊娠

妊娠すると性ホルモンが増えるため歯周病が悪化します。

 

喫煙

たばこを吸う人はそうでない人と比較して、2~5倍も歯周病にかかりやすいと言われています。

それはたばこを吸うことによって末梢組織が酸化する濃度が低下し、歯周病の原因である嫌気性細菌に適切な環境ができるためです。

また、白血球の機能が低下するため歯周組織の抵抗力が弱まるためです。

 

自分でできる歯周病予防

 

歯周病の直接の原因はプラークで、このプラークは食事の際に歯と歯の間や歯肉溝にたまっていくもの。

つまり、歯周病を予防するにはこのプラークが少ない状態を保つことが大切で、これをプラークコントロールと呼びます。

なお、プラークコントロールの方法は歯磨きをしっかり行うことです。

うがいだけではプラークを取ることはできません。

最近ではプラークが蓄積するの防止できる歯磨き粉や洗口液がたくさん売られるようになってきました。

そういったものを使うのもおススメですが、何よりしっかり歯ブラシを使って物理的に取り除くことこそが重要です。

もし、炎症が歯肉のみにとどまっているのならしっかりと歯磨きし続けることで歯周病を予防することが可能です。

 

クリニックでの歯周病治療

スケーリング&ルートプレーニング

では、クリニックで行われる歯周病治療にはどのようなものがあるのでしょうか?

まず、スケーリングですが歯石や歯周ポケットにあるプラークを専用の器具を使用し取り除くものを言います。

さらに、細菌により破壊されてしまったセメント質を削って歯根部の表面を柔らかく丈夫にした上で、歯肉への刺激を軽減したり、再度歯石が付くのを防止します。

これをルートプレーニングと呼びます。

 

歯周病になる原因を取り除く

虫歯や噛み合わせの悪さ、歯が抜けたまま放置している・・などは歯周病になりやすいので治療する必要があります。

 

まとめ

歯周病は慢性疾患の一つです。

治療してよくなってもその後ケアしなければすぐに再発してしまうと言われています。

歯周組織が健康でも10日間歯磨きしないと歯肉炎になる、という実験結果があるほどです。

一度治療を受けてから後も当然のこと、自分自身によるプラークコントロールが必要不可欠です。

さらに、定期的にクリニックを受診していただきスケーリングなどを行って再発するのを防いでいただきたいですね。

たかが歯周病とは思わず、いつまでも健康的な生活を送れるよう歯周病には気をつけてくださいね!

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