虫歯を早期発見するための定期検診の重要性

だれでも自分の歯はずっときれいに保ちたいものですが、年を取れば入れ歯にするのは当然・・というイメージが強いです。
虫歯になるたびに、クリニックを受診するのは大変で費用もその分かかってきます。

ただセルフケアだけを行っていても健康なお口を維持できませんが、定期検診に通うと同時に自宅でのセルフケアも行うことで健康的なお口を保てると言われています。
ここでは虫歯になるのを防止し、歯の健康を維持する定期検診についてご紹介します。

歯医者さんの定期検診はとても大切なものですが、どういった治療を行うのか等あらゆる観点から定期検診をご説明しますので、興味がある方はご参考になさってみて下さい。

定期検診で行うこととは

まず、定期検診の目的ですが、お口の中がきれいな状態を保てているかどうかをチェックすることがあります。
クリニックで行われている定期検診がどういった内容なのか気になる方は多いようです。

実際には次のよう施術を行っています。

お口の中をチェックする

一般的に定期検診では、まず最初にお口の中の状態をチェックしていきます。
この時虫歯があるか、お口や歯ぐきの粘膜の状態や歯並び、詰めものの状態や噛み合わせ・・なども同時にチェックします。

なお、歯ぐきを検査する際には専用の器具を使い歯ぐきのポケットの深さを測りますが、正常だと3ミリ程度だと言われています。
もし、それ以上深い場合は歯周病の疑いがあります。

レントゲンを撮る

次にレントゲンを撮っていきますが、これで分かることは見えない部分の虫歯の深さや歯の根の部分の病気などです。
他に、骨の状態をチェックすることで歯周病や顎関節の状態も分かります。

クリーニング

さらに、PMTCという歯のクリーニングを行うこともあります。
必要な方には虫歯予防効果のあるフッ素塗布も行っていきます。

定期検診の費用

定期検診の費用は保険内で賄えるものがほとんどですが、これは病気がある時に限ります。
つまり、病気がない時は自費で受ける必要があります。
自費の場合は5千円~1万円程度となっており、クリニックによって料金に差があります。

なお、歯石除去や歯周病検査などの費用は歯の本数や入れ歯のあるなしにかかわるので、保険点数が変わるため差がありますが、3割負担の方で3千円程度となっています。
もちろん、検診を行った結果必要であれば別に治療費用がかかります。

虫歯や歯周病が進行してしまいかかる費用や時間を考慮すると、定期的にクリニックでメンテナンスを受けてきちんと予防を行うことは、コストパフォーマンス面から言ってもかなりメリットがあるでしょう。

定期検診の重要性

歯の残存数を上げられる

さて、アメリカやスウェーデンの定期検診受診率は非常に高いと言われており、80歳で残っている歯の本数も当然多いです。
つまりお口の定期検診を受けることによって、健康に生活するために必要となる歯を残すことにつながるわけですね。

なお、定期検診受診率が非常に低い日本では残存数が9本程度ですが、アメリカでは17本、スウェーデンでは25本となっており、かなり差があるのは当然だと言えるでしょう。

プラークを除去できる

虫歯は細菌による感染症だと言われています。
体内には多くの細菌がおり、いつもは種類と数は一定の状態を保っていますが、抵抗力があると気は大きなトラブルが起きません。
ですが、なんらかの原因で抵抗力が落ちていたり、細菌の数が急激に増えたり種類が変わったりした場合など、抵抗力がなくなると感染症を起こすことがあります。
定期検診を受ければ定期的にプラークを除去できるので虫歯になりにくくなります。

認知用予防に効果的

自分の歯でしっかり噛んで食事をすることはとても大切なことです。

ある研究によれば、健康な高齢者は14本も歯があるそうですが、認知症の疑いのある方の場合は9.4本とかなり少なくなっており、これから見ても歯と認知症には深い関係があると言えます。
一般的にものを噛むと脳が刺激されますが、歯が減ってしまうと周りの神経が失われ脳が刺激されなくなる・・と言われています。

つまり、歯がなくなったらインプラントや入れ歯で治療すればいいと考えるのは危険です。
いつまでもご自分の歯でおいしいものをおいしいと感じるような快適な生活を送れるように、定期的に検診を受けて歯を大切にするようにしましょう。

PMTCでバイオフィルムを取り除ける

細菌が集まってバイオフィルムを作る際には表面部分が付着性物質で覆われてしまうので、抗菌剤などの殺菌成分があるものを使ってもバイオフィルムは破壊されないと言われています。
このバイオフィルムを取り除くため、定期的にクリニックで歯のPMTCを行うことが効果的です。
日ごろのセルフケアでのブラッシングだけでは、お口の中にある歯周病菌や虫歯菌を全て除去しきれませんが、クリニックでの定期的なPMTCと日頃の丁寧なセルフケアによってバイオフィルムを効果的に取除くことができ、歯周病や虫歯を防止できるのです。

このPMTCとは歯科医師や歯科衛生士などのプロによって専用の器具を使って行うクリーニング法を言います。
専用の器具を使うため、ご自分のケアでは落としきれなかったプラークや歯石までも取り除くこともできます。
さらに、取り除いた後は歯の表面にある細かい傷を磨き、表面を滑らかにすることによってプラークを付きにくくします。

つまり、定期検診には経過を観察することの他にトラブルを早期発見できるだけでなく、予防効果があるわけです。

まとめ

クリニックでの定期検診についてあらゆる視点からご紹介してみましたが、ご参考になさっていたでしょうか?
いつまでもご自分の歯で食事をするためには定期的な歯の検診が必要不可欠です。

最低でも3か月~半年に1回程度は定期検診を受けていただき、お口の中をクリーニングしましょう。
虫歯を防止する最大の方法は、日頃のご自分でのケアとクリニックでの定期検診です。
プロにしか行えない施術をクリニックで受けていただき、正しいセルフケアを自宅で行いましょう。

そうすれば虫歯や歯周病を未然に防止でき、いつまでも健康なお口を維持できるはずですよ!

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