目次
はじめに
虫歯には段階があってCO、C1、C2、C3、C4と分かれており、それぞれの段階により治療方法や治療期間が違ってきます。
そこで、ここではその段階ごとの治療方法とどのくらい期間がかかるのかをご説明したいと思います。
虫歯ができるメカニズムとは?
お口の中に存在している虫歯菌は歯の表面にあるバイオフィルムと言われる膜に感染しますが、バイオフィルムとはお風呂やキッチンなどでよくみられるぬめりの正体のこと。
この中で虫歯菌は食べ物の中の糖分を取り込んで酸として排出しています。
この酸によって歯が溶かされることで虫歯になっていきます。
ですが、唾液はこの酸を中和し再石灰化することで歯を守っており、これができないと虫歯になると言われています。
虫歯の原因とは?
虫歯の原因はミュータンス菌ですが、これは食べ物や飲み物などに含まれている糖分により増えグルカンという物質を放出します。
このグルカンが歯に付着してさまざまな細菌が増殖してできたものがプラークです。
プラークに含まれる細菌が糖分を取り込み酸を排出すると、歯の表面が溶かされていき虫歯になるのです。
進行度別歯の治療法と期間
虫歯は進行度合いにより5段階に分けることができ、それぞれの段階でどういった治療が行われ、どのくらいの期間がかかるのかご説明しましょう。
◇CO◇
これは歯のエナメル質が溶け出して白くなっている状態で要観察歯と呼ばれる段階です。
歯にまだ穴は開いておらず、しみる、痛みがあるなどの自覚症状はないため再石灰化を促進することで虫歯が修復される可能性があるので、削ったりする治療は行われません。
数回程度の通院で終わるので治療期間は短くて済みます。
◇C1◇
この段階だと再石灰化で虫歯が治癒することはありません。
虫歯のところを削り取って、その部分にプラスチックでできたコンポレットレジンと言われる詰め物を入れるのが一般的です。
この素材はペースト状の柔らかいもので光に当たることで固まる素材ですので、型を取る必要がなく1回の通院で済みます。
ただし、最近では削らないで経過観察するクリニックも増えているようですね。
◇C2◇
この段階だと冷たいものを摂るとしみることがあります。
エナメル質の下には象牙質というものがあり、ここまで虫歯が進行した状態で歯の中で虫歯がかなり広がっています。
神経に虫歯が近づくと熱いものや冷たいものだけでなく、甘いものまでしみるようになると言われています。
この段階の治療は虫歯の部分を取りのぞいてコンポレットレジンで詰める、インレーを入れるための型取りをするなどを行います。
なお、2回目の通院の際に出来上がった詰め物を入れるため、インレーによる治療だと2回の通院が最低でも必要になるでしょう。
◇C3◇
この段階の虫歯は痛みを伴います。
歯の神経部分まで虫歯が進んでいるもので、何も食べなくても激痛が伴います。
さらに、放置したままだと神経は腐って死ぬため、神経を取りのぞくための根管治療が必要になってきます。
まず最初に、虫歯になっているこころを削って神経を除去します。
さらに、炎症がおさまってきたら取りのぞいたところを薬剤で埋めて、被せものを入れるため土台を作っていきます。
そして、土台ができたら型取りをして被せ物を入れていきますが、治療期間としては炎症の状態などによって変わってくるため1~3ヶ月程度はかかるようですね。
◇C4◇
この段階は歯が崩れてしまう末期状態だと言えるでしょう。
歯の神経が死んでしまって腐り、それと同時に歯も崩れ根元しかすでに残っていない状態を言います。
この段階まで進んでしまうと、歯を残すための治療は困難になるため抜歯することが多いです。
その後、ブリッジや入れ歯、インプラントなどを施します。
治療期間についてはブリッジや入れ歯であれば3~4ヶ月程度となり、インプラントなら最短でも抜歯してから半年以上はかかると考えておきましょう。
虫歯は予防が大切
◇効果的な歯磨き法とは◇
虫歯を予防するには、歯垢を取りのぞいてミュータンス菌を減らすことがもっとも効果的だと言われています。
歯ブラシを歯の表面の根元部分に垂直に当て、歯を磨いていくと効果がアップします。
歯ブラシを動かす際には小刻みに動かし、丁寧に歯を1本ずつ磨いていきましょう。
さらに、歯垢は歯と歯の間にも溜まりがちなので、歯磨き後にはデンタルフロスなども使って歯間もキレイにしておくと効果的ですよ。
◇歯磨きのタイミングって?◇
虫歯を防止するための有効的な歯磨きのタイミングは毎食後です。
忙しい時にしっかりと歯磨きするのは難しいですが、寝る前だけでもしっかり磨くようにしましょう。
歯につく細菌は、寝ている間お口の中が乾燥して唾液の分泌が減るともっとも繁殖するからです。
◇食事中の注意点とは◇
唾液には細菌により溶かされてしまったエナメル質を再生したり、お口の中をキレイにする働きがあるため、食事の際にはよく噛んで食べることで唾液の分泌を促しましょう。
◇キシリトールを摂る◇
キシリトールは甘い食品ですが虫歯の原因にはなりません。
むしろ虫歯を防止する効果があるため、日ごろから摂ることで虫歯を防止できるので取り入れたいもの。
ただ、この時注意したいのがキシリトールの含有量です。
キシリトールの代わりに砂糖が入っていると虫歯予防に効果がなくなってしまいます。
つまり、虫歯予防のためにはキシリトールの含有量が70パーセント以上のものを摂る必要があります。
できれば100パーセントのものが好ましいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
段階別虫歯の治療法とかかる期間についてご紹介してみました。
虫歯は進めば進むほど治療にも時間がかかり、患者の負担が大きくなることが分かりました。
なので、虫歯をできるだけ早期のうちに見つけることこそが重要です。
また、最近では予防歯科の大切さも注目されてきています。
日頃から丁寧なブラッシングを心がけていただき、食事の際にも唾液をしっかり出すようよく噛み、キシリトール入りの食品を恵積極的に摂るようにして虫歯予防に努めてくださいね!
いつまでも健康な歯を維持してくださいね!